味方運と破滅運
さて、運の「定義」についてはこの項目で最終章。
次章からは、いよいよ運を引き込むにはどうすれば良いのかという、
具体的な話をしていくつもりだ。
ただ、そういった技巧的な話をする前に、
各人が自身の考えを纏めるにあたっては、より自由であってほしいとも考えている。
そのためにも今ここで、
恐らく皆が持っているであろう固定観念を一つ壊しておこうと思う。
それは、「運とは良いものだ」という思い込みだ。
運には「降ってくる運」と「引き込む運」の二種類があるということは冒頭で述べた通りだが、
これはあくまでも運というものの動的な概念の話に過ぎない。
運そのものの内部的な面に関しては、自分に良い影響を及ぼすものもあれば、
悪い影響を及ぼすものも存在すると僕は考えている。
ひとまず、前者を「味方運」、後者を「破滅運」とでも言っておこうか。
味方運に関しては、特にここでは言及する必要もないだろう。
一般的に良いものだと考えられている運と同じものだと捉えておけば良い。
問題なのは、破滅運。
これは一見、ツいているように思えても、非常に危険な運なのだ。
例えば、誰しも一度くらいは経験があるとは思うが、これまで調子よく進んでいたことが急に停滞したり、
なにかしらの邪魔が入って初めからやり直しになったりしたことがあるだろう。
資格試験の失敗なんか、いい例だね。
あと一歩だったのに・・・!
そういった場合、あなたならどうする?
ついつい、もう一度、と、手が伸びるんじゃないか。
その前向きな気持ちと行動が、かえって命取りとなる場合もあるのだ。
何度となく繰り返したところで、結果に繋がらない。
これは運が味方運でないこともあるが、単純にその手がけていることが自分に向いていないのに、
中途半端なところまでは成果が出てしまうという破滅運の悪影響による場合もある。
様々な本にも書かれていることだから今更の話だが、人生とは有限なのだ。
それなのに、破滅運が呼び込む中途半端な成果に踊らされて、
大切な時間や金、場合によっては人間関係をも駄目にしてしまう。
いずれ気付くかもしれないが、踊らされている内は気が付かない。
これが、僕の言う破滅運。
持ち手を破滅へと導く、悪魔の運とも言うべきものだ。
個人的な体感での話だが、この運に魅入られてしまうのは、
大抵、己の中でなにかしらの「迷い」を抱えているような場面が多い。
例えば、仕事、将来、結婚等の重い物事に対して、「自分はこう考えている」といった信念がない、
若しくは揺らいでいる状態でなにかに手をつけてしまった時なんかが典型例と言えるだろう。
こういった己が定まっていない状態で、
なにかのかかった勝負事に手を出すのは非常に危険なのだ。
運に喰われる。
そのことを、身をもって知ることになるだろう。
これを断ち切る方法は、一つ。
途中までの好調子は破滅運による悪魔の誘いと見切った上で、
自ら、その運を斬り飛ばすことだ。
株取引で言うところの、「損切り」に近い行為とも言える。
例として挙げたからついでに言うが、資格試験に関しては同じものを2回受けてダメだったら、
そろそろ別の道を探す選択肢を持った方が良い。
吐き捨てるような言い方をして申し訳ないが、そのような経験をしている方であれば、
僕がなにを問題視しているのか、なんとなく分かるはずだろう。
仮に何年後かに合格できたとしても、結論は変わらないとも言っておく。
自信を持つのは大切なことだ。
だが、己の存在を過信し過ぎてもいけない。
本来、冷静であれば気付くはずなのだ。
始めて間もないのに、思っていた以上の成果が出てしまった、
相応の負荷を負っていないのに、無駄に周りからチヤホヤされる、
「自分には才能があるんじゃないか」
その過信が、本来、成果に対して沸くはずの疑念にフタをしてしまう。
虚栄心とも言う。
破滅運はその心の隙を狙って入り込んでくる、運のフリをした不運だと言っていい。
そいつは味方じゃない、敵だ。
斬れ。
なお、前々章でもチクリと触れたが、異性関係はこの破滅運に対する干渉力が非常に強い。
己のフォームをぐらつかせる存在となってしまう場合が多い上に、
相手の運の波長が自分の基本運にノイズを走らせてしまうこともある。
ほら、飲食店なんかでも一人で行く場合と恋人といく場合とでは、
気の持ち様が多少、変わってくるだろう。
これが、本来のフォームを見失うきっかけとなってしまう場合もあるのだ。
そして、そんな不安定な状態のままで、
中途半端な運(チャンス)を引き込んだりすると最悪、死ぬ思いをすることになる。
繰り返しになるが、そう感じることがあれば、斬れ。
斬れないのなら、斬られるようにすれば良い。
運には己を殺すものもあるのだ。
それを避けるためには、己の人生に対してひたすら風上に立ち続けること。
引き込む腕力とは、そのための技法を指す言葉でもある。
次章からは宣告通り、その具体的な技法の各論について論じていく。
2024.02.06 wrote